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ニュクスの種子
それは、時どき彼女の視線の端に映っているのだけれど、視線を動かすとそれもまた画面の端っこへと移動するだけで、いくら身体の向きを変えようともなんの意味はなかった。だから彼女はそれを直接みることができなかった。普段は真ん中を歩いて寝室からリビングに移動するそれは、彼女をみつけた途端に真ん中にはいられなくなり、壁に沿って移動し、ドアの隙間から覗き込んでは、また来た道を戻ってしまうのだ。それをはっきりとふちどることは難しく、増殖していっているというべきか、あちこちへと伸びていく奇妙な形体に思えた。しかし時には小動物のようにせかせかと何度も同じ場所をいったりきたりする。まるで、何を忘れたかも忘れたままその忘れた場所へと向かっているようだった。そうした不可解な行動は、たとえ人前で起きていたとしても、人の記憶のなかには残っておらず、風景の一部となっている。ある日、彼女の腕が動かなくなってしまい病院へいった。すると医者は筋肉というものは、すべて連動していると力説し始め、彼女はその体を医者に預けることにした。そうして、彼女のレンズは拭き上げられた。医者は最後、その薄く皺の寄った手で──ほら見てごらん、と足をするする動かす個体を見せつけてきた。 – Mitsue みつえ
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닉스의 씨앗
그것은 가끔 그녀의 시선 끝에 비춰지기도 했지만, 시선을 움직이면 그것 역시 화면의 가장자리로 이동할 뿐, 아무리 몸의 방향을 바꾸어도 아무런 의미가 없었다. 그래서 그녀는 그것을 직접 볼 수 없었다. 평소에는 가운데를 걸어서 침실에서 거실로 이동하던 그것은 그녀를 발견하는 순간 가운데에 있을 수 없어 벽을 따라 이동하고 문틈으로 들여다보다가 다시 왔던 길로 되돌아갔다. 그것을 명확하게 따라가는…
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The Offspring of Nyx
It was on the edge of her eyesight but once she moved her body around, it also moved around, so, no matter how she moved her body, it didn’t make any difference. She, therefore, couldn’t capture it at any time. Even though it usually moved straight down from the bedroom to the living room, once it…