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鬼の正体
薄い膜を隔てて、内側に白い液体と、外側にうっすら赤い血が滲む。液体の侵入がもたらす結果と引き換えに、この血があなたに流れ込む様子を想像する。あなたと私の身体が重なり、連なる山。境界を超え、足を踏み入れる。 ある地域では、山は象徴的な母胎とされ、その中に入った人間は胎児となって新たに世に生まれ直す、そのような信仰があった。しかし女性は血の穢れた存在として、多くの山は女人禁制だった。 静かに息づく木々の暗闇を進んで行く。遠くにしゃがみ込んだ女性の姿が見える。かつて、親が子を捨てることを間引きと呼んだ。徳満寺の絵馬には、子供の首を絞める母親の、障子に映るその影が、鬼の姿として描かれる。だが怖いのは鬼ではない。鬼を、子供を、生み出してしまう呪いだ。 汗を振りながら夢中で歩き続けると、いつの間にか鬼ではなく、山姥がそこにいた。知恵を司り、俗世から排除された魔女。白い髪を投げ出し、横に裂けた大きな口で、血に塗れた山姥は微笑んだ。私を縛っていた呪いが解ける。 膜が破れ、混じりあったピンク色の液体が床にこぼれ落ちた。 – KUROSAWA Maya 黒沢麻弥 “more..”
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ゆうびんで
1. ゆうびん(郵便)で:「You’ve been dead」と発音が似ている。2. [郵便]と[走る馬]には大きなギャップがある。[ビン]と運命には大きなギャップがある。[ユウ]と順応にも大きなギャップがある。[緑の衣の騎手]と絶対には大きなギャップがある。[ユウ]と幽霊には大きなギャップがある。[ビン]と私にも大きなギャップがある。体験と想像には大きなギャップがある。郵便箱と世界にも大きなギャップがある。怪談とこの話には大きなギャップがある。3. これは誰かが[怪談]になる前の話。 ユウ と ビン は馬に乗って駆けている。 ユウ : おい!ちょっと待って!話そう!君のことを知っているんだ!ビン : 何を言っている、訳がわからない!さっきあの丘を越えてきたばかりだ!おい、前を見て走れ!君の馬がこっちに近づいてくるじゃないか!石がこっちの馬の方に飛んでくるんだ!ユウ (ユウ) : 馬がどうなっても構わない。倒れたら、新しい馬が空から降ってくるよ。同じように跳ねる馬が与えられるって!本当に私のことを覚えていないの?私たちはずっとここを走ってきた。君の馬と私の馬はずっとここを走り続けている!ビン (ビン) : この場所を越えたらゴールだ!そんな浅はかな策略を使わずに、正々堂々と勝ってみろ!ユウ (ユウ) : 違う、間違っているよ!君は大きく間違っている!信じられないかもしれないが、私はここを何度も走っている。いや、私たちは何度も走っている!それが君であったのかは正確には覚えていないけど、この土ぼこりと風の感じ、そして隣には別の騎手がいる!それだけは確かに覚えている!君の馬は3km先で倒れる!尖った岩が見える場所だ!そこで必ず倒れるから!スピードを上げずに良く聞いて!ここで君は勝てない!ここで勝つのはあいつだ!何度繰り返しても、あいつが勝つんだ!これから起こることは君が想像もできないことだ。君の右から新たに現れる緑の衣の騎手!あいつの攻撃は必ず当たる!あいつは私たちを倒すために何でもするから!ここは無限に繰り返される!あいつが現れることも、あいつがいつもレースに勝つのも!ビン :… “more..”
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Yuu-Bin-de(郵便で)
1. Yuu-Bin-de (郵便で): It means “by mail,” and it sounds similar to “You’ve been dead.”2. [Mail] and [racing horse] seem to have a big gap… “more..”