鉢合わせ

三人暮らしの小さな家。皆が寝静まると、いそいそと部屋から出てきては徐に食料を漁る。この引きこもりにもただ一人、友達がいる。彼は色んな怪談話を教えてくれる。

「それでじいさん、その沼に入った時、底から誰かに足を掴まれて、そのまま窒息してしまったらしい。」

彼の家は裕福だ。面白い本がいっぱい読めるのだろう。

ある日、彼は女の子の友達を連れてきた。人とは顔を合わせるのさえ極度に苦手な僕だが、彼の友達というだけあって、この子とは不思議に話が弾んだ。月日が経ち、彼女と恋仲になるのと時を同じくして、じじいの会社が奇跡的な大成功を収めたらしい。家の料理がやけに豪華になり、家財は小綺麗なものに一新された。

初めて親の元へ彼女を連れてきた日。玄関の戸を開けると、目の先にはいつか友達が言っていた「人喰い沼」が広がっていて、その中に父の姿を見つけた。

僕と彼女がバタバタと駆け寄った時、向こうの戸がばっと開き、じじいが目を点にして叫ぶ。

「”ほいほい”に座敷童子がかかったぞ。」

じじいはなぜ彼女の名を知っていたのか。なぜ目前の超常現象に恐怖しないのか。何一つ飲み込めぬ間に彼女は忽然と姿を消してしまっていた。

– SKANPO Tarao すかんぽ多羅尾

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