先日、百鬼夜行というイベントに参加し、たくさんのゴーストたちと出会う機会があった。私は手話を使う友人であるリンゴ好きのゴーストと一緒に参加した。
最初に会ったのはお面をつけたゴーストだった。彼女から、ここに来た理由やゴーストになった時期、服装を選んだ理由などを聞かれた。紙に書いて渡したのに、どうしてまた話さないといけないのだろうと最初は思ったが、声に出して話しているうちに、自分の書いた内容を信じられるようになった。「これが私なんだ」と感じ、自分がゴーストであることを改めて実感できた。
部屋を出て上の階に進むと、薄暗いパーティー会場に着いた。友人がまだ到着しておらず、一人で少し緊張しながら部屋に入ると、そこには5人ほどのゴーストがいた。入口に立っていた女性ゴーストが「食べる?」と優しく声をかけてくれ、お皿とコップを渡してくれた。テーブルには団子や飴などのお菓子、ご飯系の料理が並んでおり、私は食べ物を取りながら周りの話を聞いていた。陽気なゴーストがいて、「今日はどこから来たの?」と周りに声をかけていた。彼女は「私は電車に這って千葉から来たよ」と笑いながら話した。あとでその陽気なゴーストと話したところ、彼女は人間だった頃、周囲に気を遣いすぎて言いたいことも言えなかったらしい。でもゴーストになってからは「自分に正直に、言いたいことを全部言う」と決めたそうだ。その言葉に、私は彼女の自由な生き方を羨ましく感じた。
私はしばらく様子を見ていたが、話を聞いたり飲み物を作ってもらったりしているうちに、一人で静かに佇む大人しそうなゴーストが目に留まった。この人なら仲良くなれそうだと思い、思い切って話しかけてみた。彼女は私と同じくらいゴーストになって10年ほど経っており、親近感が湧いた。さらに彼女がこのホテルで暮らしていると聞いて驚いたが、「ここでの生活も悪くないのかもしれない」と思った。彼女は5階の窓から人間を観察するのが好きだと言い、私も人間観察が好きなので話が弾んだ。彼女は物静かで、パーティーよりも静かな場所で話をする方が好きそうな雰囲気だった。
彼女との会話が終わった頃、友人もパーティー会場に到着した。その少し後、先ほどお皿を配っていたゴーストが「ゴースト様?」と小声で呼びかけ、折りたたまれた紙を渡してきた。誰にも気づかれないように廊下で紙を開いてみると、「一人で隣の部屋に行かないと始まらない」と書かれていた。その秘密めいた内容にドキドキしながら、私はすぐにその部屋を訪れた。そこには先ほど話した人間観察が好きなゴーストがいた。後から彼女が「Theyゴースト」と呼ばれていることを知った。彼女は「疲れちゃって、自分の部屋に戻ってきたの」と笑いながら話し、「ここは私の部屋」と紹介してくれた。彼女は窓からオフィスビルや隣の家の様子を観察しているらしい。オフィスビルの明かりがまだついているのを見て「人間って大変だな」と思ったり、隣の家の2階にいつも座っている人を見て「テレビを見ているのかな、寝ているのかな」と一緒に想像したりした。彼女の部屋を見渡した後、彼女に浴室へ案内された。お風呂の温かさと香りに包まれた部屋で、いろんな話をした。彼女は私との会話を記録したいと言い、私の喉に金属のマイクをつけた。マイクを抑えて話していると、喉の振動が指先に伝わり、不思議な感覚だった。彼女に「このパーティーに来てどうだった?」と聞かれ、「私はゴーストになって10年経つけど、ずっと人間のふりをして生きてきた。でも今日、初めてゴーストのパーティーに参加して、自分のアイデンティティに正直になれた気がする」と答えた。彼女はその言葉に共感してくれた。
会場ではヘッドホンとマイクを持って歩き回るゴーストもいて、私もお願いしてヘッドホンをつけてもらった。部屋を歩き回ると、ヘッドホンから聞こえる声が曖昧で、時にはラジオの雑音のように聞こえたりした。「人間がゴーストの声を聞くとこんな感じなのかな」と思った。
そのあと、女ゴーストと写真を撮り、さらにぼいゴーストについて教えてくれた。ぼいゴーストと秘密の場所へ行きたくて、「怖い場所に行きたい」とお願いした。リンゴが好きな友達ゴーストと一緒に6階の秘密の場所へ行き、エレベーターのドアが開閉するたびに誰もいないことにゾッとしたが、ぼいゴーストは「人間はいないから大丈夫」と笑っていた。「人間とゴーストどちらが好き?」と聞かれ、私は「ゴーストの方が自由だ」と答えた。ぼいゴーストの問い「どんな時が一番落ち着く?」には「森の中を歩くとき、自然の一部になったようで心が落ち着く」と答えた。友人は劇場や舞台の空間が落ち着くと話し、「自分を忘れられる瞬間が一番心地よい」という結論に三人で共感した。
パーティーの部屋は薄暗く、料理が何か分からないこともあったが、それが逆に楽しかった。様々の国のお供物を味わいながら、さまざまな国のゴーストと会話した。普段は出身地や国籍を話題にすることが多いが、この夜はゴースト同士という仲間意識から国籍の話が出なかった。ゴーストだからこそ、国を超えた平等な交流ができたと感じた特別な夜だった。

– C.R.,《百鬼夜行》18時参加