
私のゴースト像は、魔法使いと人間のハーフで、魔法が使えない死後6カ月の新米ゴースト。魔法使いの必需品である「魔法の杖」を所持していなかったので、魔法使いと人間のハーフであることから、魔法が使えない。私は、すべての動きがスローだ。死後歴半年の新米ゴーストは、生前のように感覚器官を正常に働かせることが難しい。歩行の際に片方に重心を寄せる、話すスピードも遅く、声も低い。
ある部屋に入室すると、真っ黒な空間に狐のゴーストが鎮座していた。狐のゴーストに初心者ゴーストであることを伝えると、上のフロアには先輩ゴーストがいるので、良い話を聞けるだろうとアドバイスをもらった。
5Fには、真っ暗な部屋には様々なゴーストがいた。元気なゴースト、静かなゴースト、ディズニーに行きたいゴースト、記者ゴースト(?)など様々だ。みんなに自己紹介をし、初心者であることを伝えると、死後歴2年のゴーストや死後歴10年だが、自身の死を認識したのが数年前であったりと、多種多様なゴーストが自己紹介してくれた。
先輩ゴーストと触れ合っていくと、自己のゴーストの立ち位置がわかってくる。例えば、5Fには飲食が準備されており、美味しいというと、「美味しい」ことに対する羨望の眼差しが向けられた。つまり、死後まもない初心者ゴーストの私は、味覚がまだ機能しているが、先輩ゴーストは、死後歴が長いため、その感覚を失い始めていた。
そこから、記者ゴーストに6Fに連れられ、自身の物語を話してほしいとお願いされた。自身の物語を自由に話すことは簡単なようで中々難しい。魔法使いと人間のハーフであることから、魔法が使えないことと、初心者ゴーストであること、そして、生前にハーフであることで迫害を受けてきた生前史、この饗宴会が私にとっての安全地帯であることを語った。
真っ暗であることで、味覚の麻痺(味覚は視覚からとも言いますから)、視覚の不安定さ、謎の大正箏の響き、コミュニケーションが難しいゴースト、ゴーストか人間か不明瞭な参加者、こうした感覚の麻痺や不覚的要素がゴーストの世界を構築しているように感じた。
– S.S.,《百鬼夜行》21時参加

